クラシック好きのiTunes整理術②:応用編

前回の基本編から連続しており、最低限のことはそちらに記述してあります。
応用編を全て完了すると↑のようになります。

同じ作曲者・同じ作品のCDが増えていくと、

  • 指揮者毎にアルバムを並べたい
  • 作曲者や作品毎にアルバムをまとめたい
  • ある曲や楽章だけを聴き比べたい

といった欲が出てきます。
しかしデフォルトのままだと、

  • 取り込むCDによってアルバム名が微妙に違うため表示順序がバラバラ
  • 外国語表記と日本語表記のものあってアルバムが散らばっている
  • 作品名をどのタグに入れていいか迷っている
  • 検索バーから一々検索して聴くのが億劫

といった不自由なことが多く、思うより融通が利かないのが、機械であるパソコンを相手にする上での嫌な宿命です。そんな状況をなるべく無くし、快適に効率よく視聴できるような環境を目指すのが、応用編の目標です。

尚、基本的な整理順序はTower Recordsの販売棚を参考にしています。


§1.アルバム情報の改良

①アルバム名の再設定:全てのはじまりを「作曲者の名前(Alphabet表記)」で統一する。

最初からその通りになっている場合はそのままでOK。
複数の楽曲がある場合、メインな曲の作曲者の方をお好みで。

日本語表記のアルバムにも全て「アルファベット表記」で全て付け足してやります。
ここでは、読み仮名によるソートはしないため、クラシックでは外国語表記が標準なためこのような編集をします。もちろん、他のアルバム名と被らないよう注意するのを忘れずに。

これでアルバムのタイトルソートをすると、アルバムを作曲者のアルファベット順に並べることができるようになります。これは非常に便利で、CD屋に慣れない人もアルファベットでの感覚になれることができ一石二鳥です。

併せて、作曲者名の直ぐ後ろにアルファベット表記の指揮者名(+楽団名略称+年代等)を追記すれば、指揮者のアルファベット順で並べることができるようになります。同一作品で複数のアルバムがある場合は必須となります。
(※協奏曲のような場合は、指揮者名の代わりにソリスト名にすると便利です。私はそうしています。)

■補足①:日本語の読み仮名の削除

iTunesストアで購入した曲についている事が多い、アーティスト名やアルバムの日本語の読み仮名を全て削除しましょう。ページ下部に分離していたアルバムもこれで統一されます。

■補足②:命名法則の例外

指揮者アルバム・有名序曲集など、特定の作曲者のみのアルバムで無い場合、無理に作曲者の名前をつける必要はなく、読み込んだときのままor自分で区別のしやすい名前にしておくとよいでしょう。

(ex.)テンシュテットのベストアルバム:だいたいの位置を「K」で覚えれば十分なので。

ベストアルバムの枠に捕らわれず、ディスク毎に作曲者の名前を頭に付け加えてもいいかもしれません。思い切って、通常のシングルアルバムのような表記にするのも選択肢の1つではあります。私はやりませんが。

■補足③:日本語表記を外国語表記に直すときに便利な語句
  • 管弦楽曲集、作品集 → Orchestral Works
  • 序曲集 → Overtures
  • 交響曲全集 → The (Complete) Symphonies
  • 他 → etc

②タグ情報付加その1:『作曲者』タグに情報を加える。

ここからは後々のため、新しい情報をアルバムに順次加えていきます。

①が終わっていれば、この作業はとても楽ちんです。
アルバムをタイトルでソートし、該当する曲をすべて選択し、↑のように『作曲者』の欄に作曲家の名字(アルファベット表記)を打ち、複数のアルバムをまとめてやってしまいます。

検索バーから作曲者名で検索してやるのは、他のアルバムが混ざる可能性があるのでお勧めできません。今までチマチマした作業が多かったためか、幾分ストレスの解消にもなったりします。この編集の際にはお好みで、名字の後に名前を付け加えたり、時代や楽派、国籍などを追加してもいいでしょう。


③タグ情報付加その2:『グループ』タグに作品名を記述する。

AppleがHPにて推奨している『グループ』タグの使い方に準拠し、ここでは『グループ』の中に作品名を入れる事をします。尚、関連したタグとして作品と楽章タグというのがありますが、現時点(2017/10/7、iTunes Ver. 12.7)では使わない方が身のためです。作品タグが使い物にならないからです。詳しくは別途まとめています。

『アルバム』や『アーティスト』のバーがある場所で右クリックをして『グループ』をバーに表示させ、対象の曲を選択してプロパティを開き、区別がついて分かりやすい作品名を入れてやりましょう。

交響曲の場合は、1つの全集でまず共通のフォーマットを決めて統一してやり、それから個々のアルバムの編集に移っていくようにすると、ミスが少なくなるのでお勧めです。


④(アルバム)アーティスト名の再設定:ソリスト・指揮者・楽団の順番を決めて統一する。

③までで基本的な打ち込み編集は終わりで、ここからは主にコピペによる編集です。
クラシックCDの多くは(指揮者Full Name): (楽団名)の形式になっているので、他のアルバムも全て直してやります。(アーティスト名、アルバムアーティスト名ともに)

ただし、幾つかの例外と注意点があります。

■多数のアーティストを含む場合:

協奏曲ではアーティスト名にはソリストを加えて、(ソリスト名) / (指揮者名): (楽団名)の形式で統一しています。協奏曲でなくともソリストがいる場合は同様です。ソリストが最初に来る方が何かと便利なので。

一方マーラーの交響曲等、多数のアーティストを伴うものは、(指揮者名): (楽団名) / (独唱歌手、その他)としています。前に書くと切りが無いので。

■その他注意点:
  •  “ :(コロン) ” と “ ;(セミコロン) ” の混在
    パソコンは違う文字だと認識するので、きちんと統一する必要があります。
    コロンではなく、スラッシュ “ / ” を代わりに使うのも手です。
  • スペースの有無、半角全角の区別
    文末スペースに気をつけ、スペースは半角だけを使うようにする等
  • 言語が違うが同じ楽団を表すものについて
    Vienna Philharmonic = Wiener Philharmoniker (両方ともウィーンフィル)
    Berlin Philharmonic = Berliner Philharmoniker (両方ともベルリンフィル)
    Montreal Symphony Orchestra = L’Orchestre Symphonique de Montréal (両方ともモントリオール響)
    など、言語が違う表記が時々ありますが、全て英語に統一しておくとよりすっきりします。

§2.好みの視聴環境を探す

§1.では特に③と④が大変ですが、慣れるとパパパっとできるようになります。それらが終われば9割方終了です。あとは、自分の使いやすい表示方法を探すだけです。

お薦め環境①:”曲”ライブラリでのカラムブラウザ表示

アルバムが1500枚ともなると”アルバム”表示では厳しいため、カラムブラウザ表示を一番良く使っています。作曲者タグ→グループタグ(作品名が入っているタグ)→アーティストと辿っていけるので非常に便利です。

↑の例のように、複数のアルバムに散らばった同じ曲をアーティスト毎にまとめられるのも◎。聴き比べに最適です。作曲者タグ、グループタグ、アーティスト命名をしっかりやっていればこそ叶う環境です。また、楽曲毎に何曲持っているか分かるのもオマケ効果として付いてきます。

曲表示におけるアルバムアートワークの表示は、表示→表示オプションを表示から設定できます。以前のバージョンと比べてえらい分かり辛くなりました。アートワーク表示まで無くなったかと一瞬ヒヤッとしました。

■補足:コンピレーションとアルバムアーティストについて

「コンピレーションをまとめる」と「アルバムアーティストを使用」の両方のチェックを外すと、アーティストの欄には、編集の際に「アーティスト」で設定した全ての名称が表示されるので戸惑わずに済みます。アーティスト名とアルバムアーティスト名が異なるアルバムでも、これで混乱が無くなり便利です。

曲数が増えるにつれて、コンピレーションを使用してアルバムをまとめていると、「コンピレーションをまとめる」を選んだ際、アーティスト欄に表示される「コンピレーション」に全て入ってしまい上手く分別されないので大変不便です。

一方、コンピレーションを使用して、アーティストやアルバムアーティストの設定をしないでいると、「コンピレーションをまとめる」のチェックを外した場合、「すべて」でしかトラックが表示されず、「もしかして消しちゃった?」と混乱するなど、ここで泣きを見ると言うことです。

これは1例にすぎませんが。色々と混乱する可能性が高いのがコンピレーションという機能です。使わないに越したことありません。アルバムをまとめたいなら、コンピレーションは使わずアルバムアーティストのみを使うべきです。以上の理由から、基本編ではコンピレーションよりもアルバムアーティストの使用を奨励していた訳です。


お薦め環境②:スマートプレイリストを作成する

クラシック以外のジャンルも愛聴している方には、クラシックのためだけに表示を弄る訳にはいかない場合があります。そんな場合はスマートプレイリストの出番です。

左下の方を右クリックして、”新規スマートプレイリスト”をクリックします。後はお好みに合わせて絞り方を決めます。ジャンル毎に分けているのであればジャンルで絞るのが一番手っ取り早いです。

ライブアップデートのチェックを入れておけば、新しく追加したアルバムもスマートプレイリストに自動的に追加してくれます。賢い!表示方法もプレイリスト毎に設定できるので、クラシックだけの表示に拘ることができます。いやしかしヘッダー(★Classic★と表示している周り)がデカすぎる。これが調整できれば100%満足なんですが。

作曲家毎のスマートプレイリスト、なんてものも作ることができます。より高度な設定も可能なので、お好みに合わせてある程度自由にプレイリストを作ることができます。


§3.さらなる工夫と改良(悪?)

§2までで、iTunesの整理法としての紹介は終了です。ここからはある種の“美学”をもって、どこまで快適に視聴環境を作れるかという、オーディオマニアに通ずるような自己満足の気が強い世界です。§2まで終わってもまだ物足りないという方のみ、参考にして頂ければ幸いです。

①トラック名の改編:余計な記述を削除する。

クラシックCDを取り込むとだいたい、トラック名には作曲者名・作品名が書き込まれます。ですが、これまでの整理を行うとトラック名にそれらはもう不要で、重複している上邪魔でいらないので消します。

『名前』でソートすれば消しやすくなります。ついでに楽章表記の統一もできます。ただし、慣れた曲でやらないと、iPhoneや再生デバイスに入れたときに何の曲だか分からなくなることがあるので注意。

交響曲全集や作品集など、1枚のアルバムに複数の楽曲がある場合は、1楽章の曲名の頭に略称を挿入すると分かりやすくなります。
(例:Sym1:、Bra4:、VC(ヴァイオリン協奏曲の略)、CC(チェロ協奏曲の略)、等)

参考例:ワーグナーの序曲の整理流石に”Vorspiel”や”Overture”だけでは、アルバム表示や他デバイスでの再生時にわからなくなるので、文末や文頭に劇の名前を挿入しています。


②タグ情報の付加:作品と楽章タグを利用する

あれだけボロクソに言い切った作品と楽章タグですが、近い将来使い物になるかもしれません。その場合、外部スクリプトを利用して効率的にタグ付加を行うことを考えています。手作業はもう流石にキツいです。

具体的には、

  • グループタグの情報を作品タグにコピーする
  • 曲名の情報から適切に楽章タグにコピーする

Appleスクリプトが必要になります。前者については既に存在しているようです。後者は結構難しい。結局手作業になる気がします。自分でスクリプトを書くしかないかもしれません。

以上で応用編も終わりです。いつかまた新しく書き足すかもしれません。
お疲れ様でした。

References(参考文献):
iTunes Work/Movement fields: who’s using them? – iTunes and Everythings Apple – Computer Audiophile
How to better organize your classical music in iTunes 12.5


// 編集履歴
2011年08月02日 初稿投稿
2017年10月07日 適宜最新化、§2から先を大幅修正。曲の編集については変わっていません。

上乃木 燕二
クラシック音楽のブログを運営しています。後期ロマン派〜新ウィーン楽派がメイン。交響曲ネタが多目。オペラ・室内楽を扱うべく奮闘中。元トロンボーン奏者。チェロやりたい。マーラーとテンシュテットが心の師匠。